変更ばかりで申し訳ないのですが、函館在住の方のお話はご本人からのストップがかかって書けませんでした(笑)
理由は「彼氏ができたから」だそうです。
どうせすぐ別れるのに・・・いやなんでもないです。
そこで次に用意していた「ちさとさん(仮名)」のストーリーにいきたいと思います。
このちさとさん、俺が初めてTwitterのアカウントを見つけたのは2018年の11月のこと。
初めてフォローしたのはぽっきい名義のアカウントだったが、フォロバはなかった。フォロワーが3000人くらいいて、フォローは20人くらい。割と人気のある裏垢女子というやつだった。
そのツイートの内容から得られた情報は、
「未婚の独身」
「48歳の既婚男性と不倫している」
「都内に勤務している」
「地方の出身」
「自称・ドМで変態」
ということだった。
まあ、よくある「赤裸々ぶってセクレポをし、殊更に過激な発言をする」という裏垢さんだよ。
いつものことながら、描写が生々しくて正直言って気持ち悪い。というか汚い。
たとえば、クリトリスを丁寧に舐められたとか、イキまくったとか、終わった後で腕枕して頭をぽんぽんしたとか、俺はそういう描写が苦手なのでちょっと辛かった。
48歳の既婚のおっさんに随分ぞっこんだが、俺にはなんか哀れに見えたね。
未婚の独身だろ。42歳。
それはいいんだが、それでやってることは不倫かよ、と。彼氏がいるならいいけど、不倫のセクレポをこうやってツイートしてさ。
どこか知らないが田舎の出身で、東京で一人暮らしが長くて、付き合ってるのは既婚者のおっさんだと。
自分の妹がこうだったら、お兄ちゃんきっと悲しむ。妹はいないけど。
赤裸々ぶって、淫乱ぶって、自立した女がこういう生き方を選択したんだというアピールが随所に見られて、
つらいっす。
本当にそう考えているとしたらよほどのバカだよ。
でも違うんだろう。本当はそうじゃない。
自分の腹の中のコンプレックスが発酵していて、その復讐のように幼稚なセックスを繰り返すんだろ。
俺が興味を持ったのは、この人個人ではなく、この手の人がTwitterに多いなってこと。
中年女性って生きづらいんだね。
いつもの好奇心でこの人に会ってみたいと思った。
いや、この人ではなく、「こういう類の人」に会ってみたいと思った。
会うためにはどうしたらいいだろうか。
この人、DMを解放していない。
ぽっきいで深追いするのはよろしくないだろうと、一度リムって、いつも取材に利用している「裏垢」でフォローした。
ちなみに俺の「裏垢」は、フォロワーもフォローも二桁しかない。フォロワーは、全部業者だ。ケツみたいな谷間晒してるような。そんなのばかり。
俺のアイコンはデフォルトのまま。
いわゆる、バカなおっさんのアカウントだよ。
当然、DMは解放してる。
子の垢では、DMくださいお願いしますって言いそうなアカウントを演じてる。
俺はこの垢を使って、どうやって直接やりとりできるのか、考えてみた。
この女性の素性について、可能性はいくつか考えられる。
①業者の場合
②実在する場合
③創作を楽しんでいる人の場合(ネカマかも)
①だとしたらDMは解放するだろう。
②か③だということになるが、いずれにしても中の人は女性だという確信した。
ツイートを見て、男なのか女なのかは慣れてくると判断できる。
まずツイートで年代を見分けることが出来る。
20代は裏の無い(裏を作れない)ストレートな言葉が多く
30代は小難しい理屈をこねくり回して結果意味不明になる人が多く
40代は20代のストレートさに、分かりやすさが加わり、安定して読みやすい。
40代は読み手を意識してる人が多い。それは人とのコミュニケーションの積み上げで、「伝わる言葉」を探す癖がついているからだろう。
もちろん教養のない40代もいるので一概には言えないが。
これで言うと、40代と思われる。
次に男女を見分けてみる。
男が書く文章は、理屈っぽいものの、読み手の解釈を入れる余地が残ってることが多い。
たとえば
「なぜ俺は焼肉を食べると腹をくだすんだ・・・アナルから漏れそうなのを我慢して現在飯田橋駅を通過・・・」
どう感じるだろうか。
俺には、典型的な男性の文章だと感じる。
読み手がいろいろ解釈する余地がある。
「飯田橋で降りてラムラのトイレに行け」とか
「カルビの脂は消化に悪いぞ」とか
いろいろリプする言葉が見つかる。焼肉っていうところも想像の余地があるし、漏れそうってことは冷や汗を流してるのかなとか想像する。
これにリプをしたくなるのも、男だろう。
女性はこのツイートの構造だとリプする気になれない。
「辛かったね」
「大丈夫?」くらいだろう。
女性は、解釈の空白を好まない。
女性のツイートは逆に、「余すところなくすべて言い切る」ことが多い。
読み手が解釈したり想像したりする余地を与えない。
そこに書いてある言葉がすべてであって、それ以上もそれ以下もない。
だから女性のブログは、長く、ねちっこくなりやすい。感情をそのまま列記するからだよね。感情の観察日記になるんだよ。
女性のツイートは、読み手がリプしづらいことがものすごく多い。
脳が自己完結して閉じているので、かける言葉が見当たらない。
必要とされているのは読み手の「共感」だけだ。
というわけで、ちさとさんのツイートは、やはり40代の、女性の書いたものだと判断したわけだよ。
もちろんこれはプロファイリングごっこであって、間違ってることも多いと思うので参考までに。
(アキラ師の文章が、女性が書いたものだとよく誤解されるのは、解釈の余地を入れさせないねちっこい文章のせいだとも言える)
ちさとさんが、40代女性、つまりツイートそのままの人物だと確信してから、具体的に対策が取れるようになった。
考えた末に試した作戦は、次のような感じ。
ちさとさんがフォローしているアカウントに、1人男性がいたんだ。
この人はちょっと裏垢っぽい、でもイケメン風の芸能人アイコンのアカウント。
俺はこの人によくリプをつけるようにした。
男性同士だとよくリプに返事をくれる。案の定、この男性はリプに返事するのがマメで何往復か必ず言葉を交わせるようになった。
ということは、ちさとさんのTLの上で、このイケメンと俺の会話が流れるということだ。
俺は頻繁にこのイケメンにリプを飛ばすようになった。
するとどうだろう。友達の友達は友達という、よく考えたら論理破綻を起こしているアレになるんだが、騙される人は多くなる。
勝手にちさとさんが俺の存在を認識するようになったと思われる。
さすがにちょっと苦しい戦いだったので、俺もアイコンを変えた。ダンディな芸能人のものをパクって使った。
俺とは似ても似つかないが、まあいいだろう。
そのうち、ちさとさんにリプをつけると、俺に返事がくるようになった。
さすが友達の友達は友達作戦。
影響力の関節技を使うと、弱小アカウントも攻撃力が高まるんだよ。
というわけでめでたくちさとさんがフォローをしてくれるようになった。
そこから会うまでには一週間もかからなかった。
つづく~