ぽっきいブログ

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自傷としてのセックスに溺れていく女のお話 2

6月だった。

 

るかが俺に、バイトを辞めたいと言った。彼氏が出来たし、就活しますと。

 

おおそれは良かった。俺は思った。ほんの数か月前の状況を思えば随分と健康的になった気がした。貧乏なおっさんたちの無料肉便器になっていたような女が、彼氏ができ、就活もしたいと言うのだから。

 

ぽ:「良かったね。優しい男なのかい。」

 

るかがうなずく。断片的に聞いたところによると、彼氏は5歳年上の25歳で、大学を卒業してから損害保険会社で働いているらしい。奨学金と自動車ローンがあるけど頑張って返しているのだとも言った。

 

きちんとした人じゃないか、安心したよ。文系の学生に人気の大企業だろ?給料も高いし借金があっても大丈夫だよ。困ったことがあったら俺に電話して。

俺がそう言うと、るかはまたうなずいた。

 

帰っていくとすぐにLINEでメッセージが届いた。

 

「直接言えなかったんですけど、わたし、まともになれたのはぽっきいのおかげです。あのままだったら死んでたかもしれない。」

 

そうか、と思った。

だがしかし、これで一件落着の感動ストーリーとはいかないのは、俺も経験上痛感している。

 

るかは自分で言った通り、1か月ほど就活をしていた。進捗は出来る限り俺に教えてと言っていたので、毎日のようにメッセージが来ていた。

 

高校を卒業してからハンバーガー屋のアルバイトと風俗嬢しか社会経験がない20歳だったが、年齢と外見の良さのおかげだろう、大手自動車ディーラーの事務員と、生命保険会社の事務員の両方に内定をもらうことが出来た。

るかは、保険会社は仕事が難しそうだから自動車ディーラーの方がいいかなと言っていたが、俺は保険会社にしとけと言った。自動車ディーラーは風俗時代の客が来るかもしれない。そしたらまたおかしなことになる。保険会社の事務員なら接客をすることは稀だろう。女性社員も多いので安心できる。彼氏も保険会社だから共通の話題も出来ていいだろうし。

 

るかは俺の言うとおりに保険会社に就職を決めた。

 

風俗嬢の時は月収が50万円くらいだったというので、そこに俺は不安があった。いくら大手企業に就職しても高卒の中途社員の月給など、良くて20万円程度だろう。それでまた風俗に戻る女はたくさんいる。

 

しかし彼氏と共通の話題があるせいか、俺の心配をよそに仕事を辞めたいという言葉は聞かなかった。

数か月経ち、また冬がやってきても平穏そうに見えた。るかと会う機会はなかったが、少なくともメッセージ上は健全な精神状態を保っている気がした。

 

このまま仕事が続き、彼氏とも仲良くやれていたら、2年くらいもしたら子供が出来て結婚するということになるかもしれないな・・・と、るかの姉とも話をすることが多くなった。

 

だが・・・考えてみると、そんな簡単な話ではないはずだと思い直した。病院での治療もカウンセリングもせず有耶無耶になって、ただ就職させただけの話だ。それだけでしかない。表面だけ、整ったのは。

 

案の定、また暗雲が立ち込める。

 

クリスマス直前のこと、るかがメッセージをくれた。

 

「彼氏が浮気してたの。」

 

「そうか。」

俺は同情するふりをしたが、浮気ぐらい男ならあるんだからブランドバッグか何か買わせて仲直りしろよと思っていた。

話を聞いていると、彼氏は自分から浮気していると言ったのだと。相手は職場の同期の女性。名の知れた大学を出て、自分と話が合う、とまで言ったと。

 

「その人より私の方が劣ってるの?」と聞いたら、劣っていないけど、疲れたと答えたという。

 

あ~~~・・・分かる気がする~~~~~

 

 

と心で強く思った。

そりゃ疲れるわ。

 

元風俗嬢だ、話すこともバカっぽいだろう。それ以上にるかはメンヘラ要素が強いので、情緒が安定しない。俺にも「ぽっきいは何人いるの?」と変なことを訊いてきたことがある。「〇〇(姉)と私の悪口を言ってるんでしょ。」と言ってきたこともある。

被害妄想と支離滅裂な言動と衝動的な行動を繰り返していたら、彼氏も疲れる。しかもまだ25.6の若者だ。落ち着いた同期の女性の方がはるかにまともで心地いいはずだ。

 

るかの姉を仕事の合間に呼んで話をした。

 

姉:「彼氏にリスカを見せればそれはそうなるし。」

 

・・・それな。

 

不幸の沼に溺れてはそこで居心地よさそうにしていれば、彼氏も疲れるんだよ。

 

あのとき、ちゃんと病院に連れていくべきだった。風俗を辞めさせて満足していた俺も悪い。

姉もそう思い始めたようだった。「やっぱり治療が必要なレベルよね?」

 

俺もるかのような女性とたくさん付き合ってきた。治療をしている人もいたが、多くは病気を放置していた。

変な話だが、共通することがあった。

 

セックスの時の喘ぎ声が絶叫系なのだ。声が大きいとかじゃない、そんな大声が出るのかよってくらいの音量。悲鳴。決してエロくはないし、耳が痛くなる。

 

姉にふと訊いた。るかはどうなのかと。

 

姉が笑って答えた。るかの昔の彼氏が、るかが絶叫するのでアパートでセックスできないと言っていたことがあると。

だよな。

感情とか感覚のコントロールが利かなくなっているのか。セックスで湧き上がってくる感情のせいで大音量の声になるのか。

 

それを「淫乱」とか「セックス好き」とか「若い女を開発している」とか勘違いするクソジジイどもがいたわけだ。肉便器にしていると、絶叫しているのでジジイ共も喜んだことだろう。

非モテの連中は必ず勘違いするんだ。

 

世の中の脳イキごっこも、淫乱イキリ界隈も、SMごっこも同じだ。治療が必要な女を美化している。女もそこに居場所を求めるので勘違いしている。

 

ぽ:「はあ。どうしたらいいんだろうな。」

 

姉と事務所で無言になってしまった。

 

数日後、予想していた通り、るかは保険会社の仕事を辞めた。

 

「ぽっきいのところで働きたい。」そう言ったので、もちろんいいよと答えた。また事務の仕事だけど。

 

でも違う、客を取りたいという意味だと言うので、俺は断った。

 

ぽ:「言いづらいけど、るかは病院が必要かもしれない。いま風俗の仕事をしたら病気を重くするよ。」

 

る:「わたし病気なんだ?w」

 

ぽ:「病気だと思う。でも治療してけば良くなる。」

 

る:「もう私にかかわらないで!」

 

るかは怒ったようだった。もちろん気持ちは分かる。病気だと言われたら嫌だろう。彼氏にもそう言われたと思う。

 

俺の管理下で希望通り風俗嬢をさせたらよかったのか。自分の価値を信じられない女がやるのは危険だ。るかの姉は、るかとは違い自己肯定感は桁違いに高い。自己肯定感が低い女がやっていける仕事ではない。自傷のつもりで風俗嬢をやっていても、まともな客はつかない。下衆なジジイが群がるだけだ。

 

そのあと、るかは姉とも大ゲンカした。

 

話をしようと居酒屋で話をしたらしいが、お前に何が分かるの売春婦のくせに!と大声で怒り、金を叩きつけて帰っていったと。

 

それから俺も姉も、るかとは連絡を取るのをやめた。

 

さらに翌年、姉は風俗を辞め、かねてから同棲していた会社員の彼氏と結婚した。結婚パーティには妹を招待していたが来なかったと聞いた。

 

それからこの姉妹に連絡をすることはなくなった。

 

そして7年後。

 

るかが俺に電話をかけてきた。

 

電話番号を消さずにいたのですぐに分かった。

 

ぽ:「久しぶりだね。げんき?」

 

るかが返事もせずにいきなり言う。

 

る:「ぽっきいさん、私とセックスしませんか?」

 

ぽ:「ん?なに?」

 

る:「ぽっきいさんのセフレの誰よりもわたし、エロいですよ。」

 

るかは28歳か、29歳か。

ため息をつきそうになったが、平静を装った。

 

とりあえずお茶しようよ、それからそうするならそうしよ。

 

意味の分からない返答だったが俺はそう言った。

 

それからさらに状況は深刻になっていった。