ぽっきいブログ

ぽっきいが語るマッチングアプリ体験記

モテる20歳と、モテない45歳

5年くらい前。

 

仕事の都合である若者と一緒に、車で3時間ほどの場所に移動したことがある。俺は40代の初め、若者は20歳になったばかりの男性だった。

 

エロの仕事でのことなので、まあ、、、20歳の若者(Nと呼ぶ)も普通の大学生とかじゃないけどね。

20歳でエロ関係の仕事をしていて、普通の大学生にはないような気配りの仕方や振る舞い方をする。

 

そしてこの20歳、めちゃくちゃモテるのは知っていた。俺の知り合いの女性から事細かく訊いていた。

 

同世代の女性からはモテまくるのはもちろん、俺のような年代の中年女性からはお金をもらってデートしているとかしていないとか。結構な悪いやつだということも。

 

見たい目は、華奢で、髪の毛がさらさらで、色白で、笑顔で、背が180センチある。

そりゃもてるでしょうと俺も思った。

ただし中卒なんだけどね。高校中退ではない本当の中卒。事情はいろいろ聞いていた。中卒だからエロの仕事しかないわけだよ。

 

モテる若者って正直興味はそんなにない。「モテ」という分野において自立してるんだし、金持ちのボンボンみたいなもんで別にという感じだ。

 

その時はたしか俺がレンタカーでマツダのMX-5か何かを借りて運転したんだよ。

 

レンタカーの事務所で車をピックアップして、若者Nのアパートに迎えにいった。朝のことだった。7時半くらい。

 

ドアのチャイムを鳴らすと、出てきたのはこれまたかわいい女の子。

 

Nは寝坊したらしくまだ準備が出来てなかった。昨日4時まで仕事していたから無理もない。

俺はその前の日の夜は3人とラブホをはしごしたけどな。おっさんなんで目が覚めるのが早い。

 

「ぽっきいさん、ごめん、部屋に入って待っててくれませんか、10分で用意するんで」

 

俺は中にお邪魔した。ごちゃごちゃと服が散乱したり、女性の下着が干してあったりする。

 

女の子は一緒に住んでいる彼女なのか何からしい。

 

Nは女の子に言う。

「ね、先輩にコーヒーいれてよ、それとクッキーとかあるじゃん、それ出して」

 

女の子も本当に明るい子で、笑顔でコーヒーを出してくれた。ぽっきいおじさんが年齢を聞くと、17歳だと言った。高校は行ってなくて、家出をしてNと住んでいるらしい。

 

「ぽっきいさんって、あのエロいぽっきいさんですよね?」と女の子は俺に親し気に話してくる。

この子もまた・・・明るくてモテそうだなあと感心した。

 

部屋の中は若い男女の体臭で甘くもわっとしていた。

 

「ぽっきいさん、今度ごはん連れてってください」と女の子が言う。

「いいよ」と俺が言う。「なんでも好きなの食わせてやる」

 

女の子が、すげーと大笑いした。

 

Nが準備ができたといいうので、出かけることにした。

 

車を走らせると、Nが言う。

N:「あの子17歳なんすけど、あの子の親が先月、押しかけてきて、俺訴えるとか言われてるんすよね」

 

ぽ:「なぜ」

 

N:「オレが監禁してると思ってるんすよ。娘を返してくださいって母親に泣かれてしんどかったっすよ。」

 

ぽ:「ああ」

 

N:「でも本人は帰らないと母親に言うし、俺も追い出すのはかわいそうなんで一緒にいるんすよね」

 

なんか俺も似たようなことあったな。

 

Nが、ちょっとコンビニ寄ってもらっていいすか!と元気に言うんで、高速道路の入り口にあったローソンに入った。すぐ帰ってきますと言って中に入ると、Nは両手に何かを持って車に戻ってきた。

 

「ぽっきいさん、アイスコーヒーの方がよかったんじゃないかと思って」

とNは言い、アイスコーヒーを二つ買ってきた。氷がたっぷりで冷たそうなやつ。

チョコレートもありますと言って、コーヒーに合うようなビターチョコをいくつか買ってきていた。

 

ああ、こいつはすごいやつだなと思った。

 

モテるっていうのは、女性性がある男のことなんだよ。しかもこうやってアイスコーヒーを買ってくれる時に、「楽しい気持ち」にさせるようにサプライズをしてくれる。普通、チョコレートまで買ってこない。

 

こういうことって、エロの世界にいるからなのかもしれないが、20歳そこそこでは中々できないよ。

 

「ありがとう!めちゃくちゃうまいよ」と俺も大げさに喜んでみせた。

 

それから車で3時間の道のりで、Nがいかに魅力のある男かということを思い知らされた。

話題は、なぜ中卒なのかっていうところに集中したんだけど、それもまた魅力的に物語を語れるんだよな。

 

平たく言うと、勉強ができなかったのもあるし、パチンコ狂いの母親に育てられ、進学の頃に母親が何かをやらかして刑務所に入ったのでとりあえず受験はしなかったという。

もしかしたら暗く辛い話なんだが、これまた楽しい物語に聞こえる。

 

あまりここでは書けない金儲けをして17歳の時には口座に1000万円が入っていたという。

20歳になるときには5000万円にもなっていて、えーと、いろいろ訳はあるんだがそれは良しとして、なかなか逞しいもんだなとまた関心した。

 

俺の20歳の頃なんて・・・と思ったが、金儲けだけは似たようなもんだったかもしれない。

 

Nは刑務所から出てきた母親は病んでいたという話を、思い切り冗談にして笑わせてくれたり。

(最近、母親に田舎の中古の家をかってやったらしい)

 

そうして話をしていると、中卒で金儲けしてめちゃくちゃ楽しそうに生きてるっていいなと、おっさんの俺でも影響されたよ。

 

俺、つまんねー人生だなーとか感じてしまった(笑)

 

でもな、そういうのって割と珍しくない。エロの世界にはたまにいる人材だよ。

エネルギーがはみ出してる野郎は、たいてい学校教育からはみ出して、性欲の世界にやってくる。

 

それ以上に、俺がすごいなと思ったのは、Nの気配りの種類。

 

目的地に着いた時、俺はおしっこがしたくなった。

コンビニないかなーって俺が言うと、

「ぽっきいさん、ここ曲がったところに市民ホールがあります。そこのトイレが綺麗です。」と答えるんだよ。

 

なぜ知ってる?いつも来るの?と俺がきくと、Nは一回しか来たことがないと言う。

 

トイレの場所をネットで調べてから来たと言うんだ。

 

Nが言うには、トイレがどこにあるかって、どこに美味しいラーメン屋があるかってこと以上に大事なんだそうだ。

 

女性といたら、トイレを把握していることは絶対条件。まさかコンビニに入らせるような男はありえねえってこと。

綺麗で、混んでいないトイレを広範囲で把握しておくと。

 

俺はコンビニでもいいけどなと言うと、「ぽっきいさんにコンビニのくっせートイレに行かせられないっす」と答える。

 

ほんと、こいつは気が利くだけじゃなく、金を自力で稼ぎまくった男が持つ自信を込めた気の利かせ方をするんだよ。

 

しかも、あざとい目的じゃなくて、スムーズにトイレや飲食店を探せたら楽しいよなって言うのが伝わってくる。

 

これはモテます。

 

おっさんにも可愛がられます。手元に置いておきたくなるよね。そりゃ金儲けの話はどんどん舞い込むわ。おっさん達から。

 

ふと思った。

 

一方で、45歳にもなっているのに、天気予報を確認せずに出かけて出先で傘を買うような男もいる。

 

女性と一緒だったらどうするんだ。

女性だけ傘を持って来ていたら恥ずかしいし、女性が傘を持って来ていなかったら2人でコンビニに行くのか。

 

「明日は雪が降るから、パンプスはだめだよ」とか

「明日は結構な距離を歩くから、スニーカーで来なよ」とか

先を見越して計画を立てるのが普通なんだが、そんなこと一言も言えない45歳もいる。

 

女性は、いろんな男性を見て年を重ねている。

 

必ず誰かと比べられてるんだよなー。過去の誰かと。

 

Nは今でも俺と絡んでいるが、20代後半になってますます大物感があって。楽しそうに金儲けを続けてる。

一緒に住んでいた女の子もまだいる(笑)

最近母親が勘違いを起こしてセレブ気取りになってるとか。

 

Nはいろんな女を抱いてばかりだけど、その彼女が手放せないらしく、それも楽しそうに話す。

 

Nがモテるのは、見た目じゃないんだと痛感した。身長が155センチでも絶対同じようにモテてる。

 

大事なのは、たぶん人を楽しませようとする明るさだろう。